2013年04月20日
不安
「不安」 1985年頃 油彩 カンバス
不安は突然 ノックもせずにやって来て なかなか出て行かない
「君は迷惑な客人だ」と言っても 気にする様子は無い
雨が降り出す 夜になる 雨は降り続く 夜は深くなる
不安は ますます大きな態度になり 心の真ん中に居座る
君との付き合い方が 未だに解らない
不安の先に 何がある?
それを考えると 余計に 不安になる
不安と友達になる?、、、、、、それは嫌だな、、、、、
2012年09月09日
バル「貧乏詩人」にて
バル「貧乏詩人」にて 1983年頃 油絵 カンバス
詩を書く以外 お金を得る術を知らない男が
今日も安い酒を飲み 身も心もアルコール漬け
わら半紙に汚い字で七行の詩を書き それを人に押し付ける
詩を書く以外 お金を得る術を知らない自分を押し付ける
灯りを切ったままの自分を押し付ける
人だけでなく 野良猫にも押し付ける
でも本当は解っている 自分に才能が無い事を
詩なんて好きじゃない事を(好きじゃ無くなった事)
それを認めるには 勇気と覚悟がいる事を
自分はサンドイッチも作れない人間だと言う事も
自尊心が彼を支えている 自尊心が彼を支えている
(そんなもの無ければ もっと楽だったのに)
そんなある日 小さな戦争が始まって
やがてそれが世界を巻き込む 大きな戦争になった。
詩人は誰よりも先に志願し 兵士になった。
そして誰よりも先に前線に送られた。
そして誰よりも先に撃たれて死んだ。
受け取り手の無い死亡通知
死亡通知の職業欄には「素人の作家?」と書いてあった。
(素人の作家は職業じゃ無いよ、、、、)
これは沢山ある 一つの話